59kimono ごっきゅうきものとは

まずは、このちょっと変わった名前のきもの。このコはどんなコ?と、皆さん思いますよね。 “59kimono”はネーミングがそのまま、きもののコンセプト。 「5月から9月まで着られるきもの」です。 え? 5月は袷でしょ。6月と9月は単衣でしょ。7月と8月は薄物かゆかたでしょ。 ――はい、従来のいわゆるきもののルールというものに則るとそうなります。 しかし、“59kimono”の提案は、着る人を悩ます単衣のルールを「実感に添った新セオリーで着るきもの」として制作したことです。 普段着に着るのだからもう暑い4月・5月から単衣だっていいじゃない―― まだ暑い9月~10月だって綿麻でもいいじゃない―― そう、単衣と薄物をまたぐ“59kimono”の条件は先にも上げた通り、
①ご家庭で洗えること
②透け過ぎないこと
③小紋型であること
④暑さに対応する生地であること
⑤5月から9月まで着まわせること
この相反するともいえる各条件をクリアすることで、“59kimono”は完成しました。

『月刊アレコレ』ロッキューきものから 59kimono

はじまりは『月刊アレコレ』という着物情報誌さんが6月から 9月まで着られるきものとして、上記の条件にあうきものを、既存のゆかたから選んで紹介していました。 昨年、“ロッキューきもの”と銘打って特集したところ、たくさんの指示をいただき、6-9きものというジャンルが浸透し始めました。 ただ、上記の条件のなかで最後の暑さを排除するという点が、既存の商品では完全にクリアできなかったのです。木綿100%はゆかたならともかく、きもので着るにはやはり、暑い。綿麻は数が少なく、かつありきたりの縞格子。そういう意味では、小紋型であること=デザインのカッコよさ も完全クリアとならず、でした。 しかし、着る人の中での話題性から、求められているきものなのだという実感を持ちました。

「着る人委員会」の声も取り入れて

そして、出会ったメーカーさん藤井絞さんが、とてもおもしろいコンセプトだから「着る人が欲しいという、そのきものを作りましょう とおっしゃっていただける機会を得たのが昨年の夏でした。
さらには月刊アレコレからスタートした「着る人委員会」の活動と時期が重なり、着る人の意見を反映したアイテムを作りたい!という声がプロジェクトを後押ししました。
そして「着る人目線」の持つ作りに賛同いただいた売る人・呉服店さんも参加いただきました。作ったものを届けるために、そして着る人の多くが持つ「怖い呉服屋さん」が呉服屋の全てではないと言うことを証明する意味でも、自らきもの環境を改善するために参加してくれました。 そして、着る人・売る人・作る人が一緒になった初めてのもの作り、“59kimono”プロジェクトが本格的にスタートしたのです。